克のハンドルネーム日記(最終回) 2002.9.12

洗濯物にカマキリがくっつく被害に悩まされています。
こんばんわ。克です。

昨日の夜なんかすごかったです。
寝ようと思って掛け布団を手にかけたら、掛け布団の裏から茶色いカマキリがひょっこり姿を現したのです。

自分と食べ物以外の有機物に触るのが嫌な俺は、割り箸でそいつの腹をつまみ、燃えないゴミの袋にポイしました。
素早く袋の口を固く縛って眠りについたのですが、夜中にそいつのカサコソいう音で何度目が覚めたかわかりません。


とまぁそれは置いといて、ハンドルネーム日記の名に恥じないハンドルネームにまつわる話をしよう。

ハンドルネームとはインターネット上で名乗る名前のことです。
本名をそのままひけらかすのは気が引けるので、本名とは無関係のないハンドルネームをつける方が多いでしょうか。
もちろん本名に由来のあるハンドルネームの方や、本名そのままの人もいたりします。

俺は今でこそ「克」と名乗っていますが、以前は全く違うハンドルネームでした。
なぜそんなハンドルネームをつけたのか自分でもよくわからないのですが
「たおる」
という奇妙な名を掲げていました。

その名残でいまだに「たおる」と呼ばれることもしばしばあるのですが、どうも自分のことのような気がしません。
母にネット上で「たおる」と名乗っていたことを言うと
「あんたタオル好きだもんねぇ」
という耳を疑う発言を繰り出されたこともありましたが、まさか俺がタオルが好きだなんていう変な人間なはずはありません。


そう信じていたある日(つまりは今日)、俺はいつものようにスーパーに買い物に行きました。
慣れた手つきで買うものを全てカゴに入れ、精算をすませようとレジ近くに行ったとき
俺の目にこんな文字が映ったのです。









「タオル各種 大特価」









や、やばい・・・
ホシイ・・・・

俺は自分の中でこみ上げて来る不可解な物欲を必死で否定しなくてはなりませんでした。


違う。
俺はタオルなんて欲しがる変人なんかじゃない。
落ち着くんだ。
タオルなら充分持ってるじゃないか。何を余計に買う必要がある。


俺がレジ前でうろうろしていると、30代半ばくらいのお母さまが積み重なったタオルの山を物色しはじめました。
もちろん全然しらない方ですし、タオルを選ぶ光景も何も不思議なことではないでしょう。
しかし俺の中にありえない感情が沸いてきたのです。



なんだろうこの気持ち・・・。
なんでだろう・・・
なんか
すごい悔しい・・・



案ずるより生むが安し。
古人の残した言葉を思い出していた頃、俺の手には2枚のフェイスタオルが握られていました。




部屋に戻って我に返ると、自分のした行為に多少の後悔の念を覚えつつもそれをベッドの上に放り投げました。
「ええい!なんだこんなもん!」

それをなんとなく遠くから眺めます。
















いい・・・













新しいタオルってなんかいいですよね。

もう自分の中に住むもう1人の自分と素直に向き合うことにしました。
こんにちは。もう1人の克。