克の大貧民日記(最終回) 2002.9.27

3日ほど前に夏休みが終わり、後期が始まっています。


後期に入ると研究室に仮配属になると聞いていたのですが、それはもう2週間ほど先のことらしく、しばらくは楽な授業日程になりそうです。
さてそうなると授業の合間の空き時間が増えるわけでして、さらにそのことは俺の家に友人達が集うのが増えることを意味していたりもします。

今まで黙っていたのですが、じつは空き時間の過ごし方はそれだけではありません。
こんなところでおおっぴらに言うのも恥ずかしいのですが、そのうちばれそうなので言ってしまいます。
じつはボク達、教室で大貧民やってます。
多いときは8人少なくとも6人くらいでやってる勢いです。
人目もはばからず熱狂しています。

大貧民(または大富豪ともいう)は地域によってルールが様々で、皆で集まって遊ぶときにはどのローカルルールを適用するか決めておくことが非常に重要です。
我々はいつも以下のルールにのっとって大貧民をしています。
(8人プレイの場合)


・ジョーカー2枚を含んだトランプ54枚を用いる。
・一度パスしたプレイヤーは、次の回までカードを出すことができない。
・同じ数字のカードはまとめて出すことができる。
・同じ記号で連続したカードが3枚以上あるとき、それらをまとめて出すことができる(階段)
・8を含んだカードを出すとそこで流れる。(8切り)
・同じ記号が続けて場に出されたとき、次の回までその記号のカードしか出せなくなる。(しばり)
・同じ数字のカードが4枚場に出されとき、それ以降カードの強さが逆転する。(革命)
・スペードの3は、1枚のみで出されたジョーカーに勝つことができる。
 その場合はスペードの3が出た時点で流れる。(革命時はスペードの2)
・8、2、ジョーカーを含むカードを最後に出して上がることはできない。(革命時は2の代わりに3になる)
・ゲームが終了したら、上がった順に超富豪、大富豪、中富豪、小富豪、小貧民、中貧民、大貧民、超貧民の名を振り当てる。
・次にゲームを開始するとき、超貧民は手持ちのカードのうち強いほうから4枚を超富豪に渡す。
 同様に大富豪は大貧民に3枚、中貧民は中富豪に2枚、小貧民は小富豪に1枚渡す。
・富豪達は、貧民達に貰ったカードと同じ枚数の要らないカードをを手持ちから選び抜き出す。
 このとき、貧民達から貰ったカードは見てはいけない。また貰ったカードを選ぶこともできない。
・貧民達は富豪達が選んだカードを持ち寄って貧民会議を行う。


基本的な大貧民のルールは省略させていただきましたが、こんな感じです。
だいたいは一般的なルールかと思いますが、ありふれたこのカードゲームを何十倍も面白くさせるのがルールの最後にある「貧民会議」でしょう。
貧民会議は我々が独自に考え出したものなので、知ってる方はいらっしゃらないと思います。

貧民会議とは、貧民達が集い、それぞれがどのカードを引き取るかか相談しあって決める会議です。
富豪達から捨てられたカードを貧民達全員で眺めて会議は行われます。
このとき富豪たちは会議の様子を見ることはできません。(声ぐらいは聞こえてもOK)
(各貧民が受け取る枚数は、自分が富豪にあげた枚数に等しい)


なにしろ貧民達はことごとく富豪達にいいカードを取られているので、貧民同士で徒党を組み協力し合わなければ勝つことは困難です。
各プレイヤーの所有カード枚数が少ない(6〜7枚)上にこういうことになっているので、貧富の差が激しい大貧民が繰り広げられることになることは想像に難くないでしょう。






前置きが長くなってしまいました。
そんなわけで今日も8人で大貧民をやったのです。

最初こそ超富豪になったり大富豪になったり貴族的な生活をしていた俺ですが、ある超富豪のときのカード交換でありえないほど弱くなってしまいまして・・・
一気に貧民層に落ちてしまいました。

それからというものの、立ちはだかる上流階級の富の前になす術もなく苦しい貧民生活を強いられることになってしまいます。


あるとき、それまでずっと富豪だったのぶくん(仮名)が貧民層に落ちてきました。
そのとき俺は超貧民だったので、貧民会議ではカードを4枚受け取る権利がありました。

のぶくんを含めた4人で貧民会議を行うと、なんとそこには4が3枚もありまして、しかも俺の手持ちには残りの1枚があったのです。
革命できるだけのカードが揃っていることは珍しくないのですが、今回はそれだけでなくなんと超高級品であるはずのダイヤの10のカードが混じっていたのです。
俺はその状況を残りの貧民達に伝え(富豪達にばれないように工夫して伝えたよ)、全員に協力を要請しました。
俺の呼びかけは受け入れられ、俺は4を3枚とダイヤの10を手に入れることができました。
そして次のような作戦が立てられたのです。


貧民達はなるべくダイヤを出し、ダイヤしばりの状況を作り出す。
俺はスペードの3も持っていたので、要はダイヤの2、A、K、Q、Jが場に全て出てしまえばダイヤの10が切り札となり、革命を起こすことができる。
仮にジョーカーを出されても、スペードの3を持っているので同じことだ。

ダイヤの7を持っていたのぶくんがキーマンとなる。


にやつきたいのを必死におさえながら貧民会議を終え、ゲームがはじまりました。
(じっさいかなり笑ってたけどね)

序盤で場にダイヤの5(だったかな)が出たところでのぶくんの番がまわってきました。
俺とアイコンタクトを取ると、のぶくんはダイヤの7を場にだし、見事ダイヤ縛りが完成します。

すると面白いように富豪達がダイヤのカードを次々と出すではありませんか。
いける。
例の5枚さえ世界から消えて無くなれば10で権利を奪い、革命を起こすことができる。

俺は静かに時を待ちました。



克「俺出せないからしばらくパスでいいよ」



ときにはこういうハッタリも必要です。

ところが事態は急変し、目的とするカードが出終える頃には富豪達4人は全員上がってしまっていました。
そうなるとあとは貧民達の醜い争いが幕を開けます。


ていうかのぶくんは俺の手持ちのカードを知り尽くしているので勝ちようがありませんでした。




のぶくん「5人以上いるときは協力するけど、4人になったら敵だから」




コンニャロー!!!!
もうのぶくんなんて信用するもんかっ!

















というわけで、貧民会議を世に広めたいがためにこんな日記を書いてしまいました。
みんなもやってみようね。

↑超貧民の手の例