克の帰省日記(最終回) 2002.2.18

そうだ。実家に帰ろう。


いつも帰省の準備のために割く時間はけっこう長い。
今日も例外ではなくて、必要なものをカバンに詰めてから部屋を1時間ほどうろうろ。
忘れ物がないかなー、とね。
1回家を出たものの不安になって引き返すのも今日に限ったことじゃありません。
待ち合わせには1時間前に着いてる人です。
ああどうかこの小心者の青年をかわいいとか言わないで。


富山に帰るには一度大宮から上越新幹線に乗って、越後湯沢っていうところで特急に乗り換えるのが定石。
早く北陸新幹線作ってね、扇大臣。愛してるから。(ホントはすごく嫌い)
上越新幹線の途中の駅の投げやりな感じも捨てがたいのだけどね。


電車の時間とか調べてこなかったので、越後湯沢に着いてから特急の時間の確認。
すごく寒い。
21時24分発か。今15分だからあとちょっとで来るな。
と思い、ホームに行くが誰もいない。
電車もいない。
ただしんしんと雪が降りつづけてるだけ。

おかしいな、と思って携帯の時計を見ると「20:19」。
・・・一時間まちがえた。
20と21。
整数の世界では隣同士いる仲良しの二人だが、極寒の地で凍える俺にとっては月とアリほどの差がある。
やけに人が少ないな、とは思ってた。
なにせ俺一人だし。

ホームを去り、エスカレータを登った。
休憩中の駅弁屋のおじさんに声をかけて五目弁当を購入。
ベンチで食べる。
3週間ぶりに人間と会話した相手は雪国のおじさんでした。
静まり返ったその雰囲気は、いつもなら「なんかいいなァ」と思うのだろうけど、寒いのでそれどころじゃない。
かじかむ手でメールを打つが一通で限界。
途中缶コーヒーで暖を取るが、トイレに行っておじゃん。
あんな寒いトイレってのもなかなか無い。


凍えながら電車を待つこと50分。
何度か人が通り過ぎて行ったけど無視。
そろそろ来たかな、とホームに下りてみると
そこには暖かい電車の中で楽しそうに笑う乗客達が。
聞くところによると30分ほど前から乗れたのだそうな。
ああどうかこのコミカルな青年をかわいいとか言わないで。



そんなこんなで富山に着いたらなんとすごい雪。
母に迎えに来てもらった。
(途中電車の中で驚くほどの量の”ちまき”を食う青年がいたが、それには触れないでおこう)

家に着いたら父がそそくさと3階の小さな書斎に閉じこもってしまった。
妹や母の話では、いつも俺が帰ってくると急にしっかりするのだそうな。


なんか疲れたからこのへんでペンを置こう。
また読んでね。