克の筋トレ日記(実家偏) 2002.2.22

筋トレをするようになってからかれこれ5年以上経つ。

たしか始めたのは高校1年生のとき。
同じ中学から同じ高校へ行ったK崎とは、中学時代から筋肉的な良きライバルだった。
腕相撲は俺のほうが強かったのだが、なんか見た目はK崎のがかっこよかったな。
最初は身長同じくらいだったのにK崎ばかりがぐんぐん伸びていったのも覚えている。

まぁそれは置いといて。
俺が筋トレを始めたきっかけは、K崎のクラスの人たちと腕相撲で楽しく過ごしていたときに起きた大事件である。(高校1年のときね)
当然のように俺とK崎は次々と相手を打ち負かし、俺的にはすごい楽しい時が流れていた。
ついには、相手になろうとする者も無くなり、俺とK崎との対決を向かえることに。
黒板の前にある教壇の机で、皆の注目を集めた中の決戦。

勝った・・・。
まさに無敵。
俺の前には一直線に赤い絨毯が敷かれ、皆がその周りに整列し、俺は絨毯の先にある玉座に向かって歩き始めた。
「克さん!最高!」
「やっぱあんたは強ぇよ!」
「俺も克さんみたいになりてぇよ!!」
玉座に座った俺に美女が杯を手渡し、勝利の美酒を味わう。
これだ・・・。

一部脚色はあったが、だいたいそんな感じだったと思う。
そこへHが現れたのだ。
飄々としたその笑顔はそれだけで周りを楽しませる効果があった。
そして俺とK崎とHはいくつか会話を交わしたのだが・・・・
よく覚えていない。
前後の会話などどうでもよくなるほど奴は強かったのだ。
俺やK崎を、赤子の髪の毛をひねるかのように簡単に倒してしまうほどに!




まぁそんなこんなで悔しくて筋トレを始めたのさ。(最近はK崎ともHとも連絡取ってないけど元気かな。)
よく続いてるなぁ、と自分でも思う。
今は週に1回、寝る前にやってる。
寝る前ってのは、3、4年前の「あるある大辞典」で薦められてからだったかな。

そんで一人暮らしを始めるようになってからは、筋トレ後に茹でたささみを食べる習慣がついた。
実家に帰ってきても、筋トレ後にささみを食べるのだが・・・。

なにしろ最近寝るのが真夜中(もしくは朝方)なので、必然的に筋トレをする時間もささみを茹でる時間も真夜中になってしまう。
実家のキッチンでは、隣あったリビングのこたつで父がテレビをつけたまま寝てしまっていることがよくある。
そうさ、俺は今日も父を起こさないようにささみを茹で、そして食さなければならないのさ。
もし、何らかの音で父を起こしてしまうようなことがあれば、父のさも今まで起きてテレビを見ていたかのような演技を見ることになる。

冷静に考えれば父もそう振舞う必要が無いことはわかるのだろうが、反射的になのだろう。
俺はそれが見たくないのだ・・・。


この日記を書き終わったときに今日の最大のミッションが始まる。
もはやほとんど使うことの無くなった筋肉を鍛えに俺は筋トレをし、ささみを食べる。
それを阻むかのように最大の敵は実家にいる。

実家で筋トレをするのは並大抵のことではないのだ。







※注意:
 ・克を知らない人へ
   大げさに書いてあるけど克は全然マッチョじゃありません。
   なんか知らないけど俺の高校のクラスってラグビー部とか柔道部とかいなかっただけです。
 ・克を知っている人へ
   大げさに書いてあるけど、しばらく会わないうちにマッチョになった、とかいうことはありません。
 ・すべての人へ
   ささみを食べるのは少ないトレーニング量で効果的に筋肉をつけるため、とかいうよりも美味いからです。
   へ、変な目で見ないでね。