克の外泊日記(最終回) 2002.7.10

自分で克日記を訪れたら、メニューのとこにあるカウンタがちょうど5000を指していました。
この知られざるステキ日記も、これで5000回閲覧されたことになります。
いやーよく頑張った。

ネットの世界では、5000番のようにキリのいい数字は「キリ番」と呼ばれ、特別なものとして珍重されることがあります。
一般に、自分のホームページで「キリ番」をGETすることは、あまり喜ばしいことではないようです。
「自爆」などと呼ばれることもあるその行為は、なるべく避けたいことのようです。

そんな5000番自爆を素直に喜んだ克です。









忙しい演習の授業も一段落し、前期試験までまだ少し時間もあるということで、麻雀でもしようということになりました。

メンバーはいつものメンバーである、N、A、Dの3人と、最近仲良くなったノブくん(仮名)の4人です。
俺を合わせて合計5人ですが、「麻雀をする」ということは「徹夜をする」ということを意味するので、1人くらい余分にいたほうが楽なのだそうです。(D談)

さて、そうと決まると、場所を決めなくてはなりません。
N、A、Dの3人は、遠くの実家から学校に通っているので、場所の候補として挙がったは俺の家とノブくんの家でした。
俺もノブくんも学校の近くで一人暮らしをしているので、どちらでもよかったのですが、そのどちらでもいいということが我々の決断を鈍らせました。

くだらないことで悩む時間が惜しいものの、なかなか決定打が見つからない。
だが、そのくだらない悩みは運命的とも言える決定打によってまもなく解決することになります。




克「べつに俺ん家でも全然いいよ。」

A「あ!ダメだよ。お前ん家エアコン壊れてるじゃん」






グサッ

Aの言葉一言一言が胸に突き刺さります。
あぁすっかり忘れてたよ。
普通の人の家にはエアコンがあるんだよ。


そういうわけで、俺はひさしぶりに外泊をすることになりました。





みんなでノブくんの家に行く、とはいっても、なにしろ今日は台風が関東地方を直撃するとかなんとかまことしやかな情報が飛び交っている日でした。雨がすごかったです。
そんな雨の中サンダルを履いて来たことを友人たちから突っ込まれたりもしましたが、俺はサンダルの有用性と汎用性、機能性、デザイン性などを必死で説いてやりました。
ホントはすごい後悔してたけどそんなの内緒です。

なんとかノブくんの家に辿り着きましたが、雨がひどいので、予定していたガスト(ファミリーレストラン)行きは雨が少し収まるまで待つことにしました。

しかし、しばらく待っても一向に雨の弱まる気配はありません。
仕方なく俺ら5人は、降りしきる雨の中ガストへ出向くことにするのでした。


・・・つづく





















↑5人


















つづき↓

ガストに着いた頃には、5人ともびしょ濡れでした。

ひどく濡れてしまったことの不快感よりも、たどり着けたことの喜びのほうが俺は強かったです。
なにしろ俺サンダルですから。


5名様であることをノブくんがバイトの女の子に告げると、その子は我らを空いている席へと導いてくれました。
テーブルの上にはメニューや塩などが置いてありました。
また、メニューが決まったときに押すべきなのであろうボタンみたいのも置いてありました。
メニューを見て食べたいものを決め、そのボタンを押せば注文を取りにお店の人が着てくれるシステムです。
また、テーブルの上には、いつ置かれたのかナイフやフォーク、箸なども・・・

・・・ってこんなこといちいち書かなくてもいいか。
ファミレスに来ることなど滅多に無いので目新しいのです。
お金が無くてファミレスなんて贅沢なところに来ることなどなかなか出来ないのでものめずらしいのです。



俺は何を頼めばいいか悩み戸惑い苦悩しつつも、大好きなトンカツを食べることに決めました。


全員それぞれ頼むものも決まり、注文を済ませました。

期待に胸を膨らませながら待つこと数分。
料理を持ったバイトのお姉さんがやってきました。




お姉さん「フォカッチャセットのお客さま?」




フォカッチャセットを頼んだのはAとDの2人だったので、俺、N、ノブくんの3人は黙って目を伏せていました。
一方当事者であるAとDは、互いに無言で譲り合い、目でコンタクトを取ろうとしています。
誰も名乗り出ないので、黙って立ち止まってしまったお姉さん。
その間わずか数秒。

気まずい。

目に見えない重圧が場を押しつぶしそうなのを感じました。
いかん。
ここは一つ、何か冗談でも言って場を和ませなければ。






克「いいなー。俺も欲しいな。フォカッチャセット。」


A「え・・・」




お前も頼んでたっけ?みたいな顔でこちらを向くA。
AとDの通信は途絶え、ますます誰も名乗り出る気配が無くなっていきました。
困惑したお姉さんは、俺のほうに向きを変え、どうすればいいかわからないといった表情を見せます。

いかん。もっと気まずい。

困ったあげく、お姉さんは俺の前にフォカッチャセットを置いて帰っていきました。


ミッション失敗!!


いや、まぁ願いが叶ったからいいか。
さてフォカッチャセットいただきま〜す・・・
といきたかったが、さすがにそうはさせてもらえませんでした。







やれやれ。





ガストを出ると、再び豪雨の中を歩いてノブくんの家へ行かなくてはなりません。
はじめは避けていた水溜りも、気にせずビチャビチャ歩くようになりました。



ノブくんの家に着くと、またもやみんなびしょ濡れです。

俺は自分のタオルを持ってきていたので、他の人はどうなったか知ったこっちゃありませんが、なんとか麻雀がはじまりました。

ゲームやネットでしか麻雀をしたことのない俺にとって人間と麻雀を打つのは初めてでしたが、ちょっと勝てて楽しかったです。




あー暑い。
エアコンも無いのにこれだけ書ければノーベル文学賞も夢じゃないと思いながら終わりにします。