克の最後に見た夢日記(最終回) 2007.2.19
あるところに、とても強くてやさしい力持ちの象がいました。
その象は少し変わっていて、ときどき
「マンモスーーーーーーー!!!!!!!1」
と叫んで周囲を混乱させたりしていました。
象は散歩の途中、木から落ちた小鳥の巣をみつけました。
象は世界一の力持ちになるための訓練中でしたが、小鳥があんまりかわいくさえずるので、
長い鼻で巣を木の枝の上に戻してあげました。
それから象は、毎日特訓の途中に巣に立ち寄って小鳥とお話をしました。
「パオーン」
「ピヨピヨ!」
「マンモスーー!!!」
「ピヨ!?」
巣は象の鼻が届くくらいの高さの枝にあったので他の動物から狙われることもありましたが、
そのたびに象はその力を活かして守ってあげたのでした。
「マンモスーーーー!!!!」
と叫べば「えっ象じゃないの?ひえー」と逃げていくのでした。
ところが、象は世界一の力持ちを夢見るあまり、しだいに巣の下を訪れることが少なくなっていきます。
小鳥は大好きな「マンモスー!!」が聞けないばかりか、他の動物に襲われないかという不安でいっぱいでした。
そこへ心の優しいキリンが通りかかり、巣をもっと高い枝へ移してくれました。
キリンは毎日のように小鳥と話します。
小鳥もキリンと仲良くなり、安心して暮らせるようになりました。
象ががむしゃらにがんばっている頃のある日、久しぶりに巣の下に行ってみると、
巣は自分の鼻では到底届かない高い位置にありました。
象は長い鼻を精一杯伸ばして
「マンモスーーーー!!!!!」
と叫びました。
ところが、いくら鼻を伸ばしても声が出るのは口からなので小鳥の耳には全く届かなくなっていました。
象はその場をゆっくり去りました。
そして世界一の力持ちになったときにもう一度
戻ってこようと決意しました。
今日も象はマンモスばりに世界一がんばります。
マンモスーーーーーーー!!!!!!!!!!!