克の馬の群れ日記(最終回) 2007.2.10

「ほらこうすけ、ごらん。今度は馬が来たよ」
「ほんとうだ!」
「ずいぶんと茶色いじゃないか。なぁこうすけ」
「うん!ぼく茶色い!」
「こうすけじゃないよ」
「ねえ、今の馬は何かな?」
「そうだねぇ。茶色かったからねぇ。」
「うん!ぼく茶色い!」
「こうすけじゃないよ」
「今の馬が挑戦かな?」
「挑戦はさっきの虎だったじゃないか。思うにあれは抑欲じゃないかね」
「老獪にもみえたよ」
「なるほど。そういう見方をするなら霜寒もありじゃないか」
「そこまでいくなら誘拐でもいい?」
「仕方ないな。今日だけだぞ」
「うん!」
「ならば私も羽を伸ばそう。こうすけ、鼻腔というのはどうだい」
「雑巾は?」
「うむ。こうすけはいつも私の想像を超えてくる」
「雑巾!雑巾!」
「粉ミルク・・・ではどうかな」
「!!」
「ははは。さすがのこうすけも言葉が出ないか」
「ひどいやひどいや!」
「同じようなものだがセルロースというのもあるぞ」
「セルロースとチョコあ〜んぱんって似てるね」
「うむ。それほどの茶色さはあったかもしれん」
「うん!ぼく茶色い!」
「茶色だったのではないか?」
「えっっ」
「茶色といえばアレしか出てこないこうすけには難しい話かもしれんが」
「今の馬が茶色だったかって?」
「そうとも」
「・・・。」
「どうしたいこうすけ。急に黙り込んで」
「今の馬がセルロースだったかどうか話しているときが楽しかった」
「ごめんなこうすけ。これをやるから許しておくれ」
「すごい!どこからハンバーグなんて出したの?」
「平成のハンバーグとは私のことさ」
「このハンバーグは馬?」
「ああ、茶色いだろう」
「うん!ぼく茶色い!」
「こうすけのあほ!」