B.『船橋は遠いよ。無理してきてくれなくてもいいよ。俺もちょっと忙しいし。』



俺はとまどいを残しつつもそのメールを送信した。
少し間をおいてカナから返信がくる。





『そっかぁ。ならしかたないね。無理言ってごめんね』





嘘までついて断った俺に謝るカナ。
俺はなんということをしたのか。

ふと顔を上げ、外に目をやった。
空が暗がりに落ちている。
今日も柏では数々の出会いと別れが繰り広げられているのだろう。

俺はスーパーに向かって歩き出した。
7月中旬にしては異例に寒い日であった。